管理人いずみのまったりブログ。
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「輝ける花、遥か遠く」(1) ― 光のかけら番外編
望むものはいつも、この手には入らない。
一番古い母の記憶は、さんざめく光の中、艶やかに装い俺に微笑みかける母の姿。
「……おばあちゃん、この人、だれ……?」
いつも傍にいてくれた大好きなおばあちゃん。その服の裾を握り締めて、問いかけたのを覚えている。
「この人はねえ、ギルニーのお母さんだよ」
幼い俺の頭を撫でながら、どこか詰まったような、おばあちゃんの声。
「ああギルニー、可愛い子」
鈴を振るような美しい声だった。
微笑む顔が俺を見下ろしている。
「これからは私がこの子を育てるわ。あの人もこの子を欲しがってるし」
「でも、お前……」
白い繊細なレースの手袋をはめた細い手が伸びてきて、俺の腕を掴む。
「大丈夫、あの人は優しいし、私幸せだもの。この子と幸せになるわ」
「お……かあ……さん……?」
引き寄せられて見上げた美しい顔。
「そうよ、私があなたのお母さんよ。これから一緒に暮らしましょうね」
俺を見下ろす美しい顔が、にいっと笑う。
その後、新しい家に連れて行かれた俺は、その日以来おばあちゃんの姿を見ることはなかった。
<続く>
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