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管理人いずみのまったりブログ。
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「輝ける花、遥か遠く」(2) ― 光のかけら番外編


 何故今頃、こんな夢を。
 暗闇の中開いた目を再び閉じる。
 ニレアがいなくなってから1週間。焦燥感で寝付けなかった当時に比べれば、やっと眠れるようになってきたというのに。
 つかの間の眠りにこんな夢を見るなんて。
 (おばあちゃん……)
 あの日以来、一度も会うことが無かったおばあちゃん。
 思えば、この悪夢はあの日から始まっていたのかもしれない。
 母の元に引き取られた、あの日から。

 「母さんは今夜も夜会に?」
 暖かな空気。抱えの料理人が向かい側でジャガイモをむいている。
 木を荒く削ったテーブルで朝食を食べながら、俺。
 「はい。お母様は忙しい方ですから」
 年配の女中がお茶を入れてくれながら答える。
 母に連れて来られたのは、俺が暮らしていた街から遠く離れた都。
 街では見たことのないような大きな立派な家。でもその中はとても冷たかった。
 母さんは夜会に出るのが仕事で、家にはほとんどいない。
 「さあ、お父さんよ」
 連れて来られた時に引き合わせられた男の人も、この家にはほとんどいない。
 ぽつん、と家の中で1人きりになった俺を見ていられなかったのか、使用人の人たちは、自分達の中に俺を入れてくれた。
 広い屋敷の中、この厨房だけが、暖かくて居心地のいい場所で。
 上質の絹と上質の家具、きちんと整えられた部屋は、俺を閉じ込める暗い監獄だった。
 
 <続く>

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